甘くて小さな嘘



一緒に眠って、一緒に起きる。
どこかにでかけてもまた一緒に帰る家。
そこには、甘く小さな嘘がある。
夫だけを愛せたらいいのに---。

結婚生活における寂しさ、戸惑い、息苦しさ・・・優しさ。

江國さんの小説には、きまって、人には触れて欲しくない心の隅の深いふかいところをチクっと攻撃する言葉や情景の数々があるのだけれど・・・このスイートリトルライズは、そんなモノたちに埋めつくされた小説。

しかし、最近の江國作品はますます不倫色が濃くなった気がする。私個人的には、不倫(浮気)はまったく共感できないので、結婚を描いた部分では、「ああ、わかる」「そうなのよね」とうなずけるシーンも沢山あったのに、結局、後味の悪さばかりが残ってしまった。独身時代に読んだら、また違ったのかなー。

東京タワー」しかり。「ウエハースの椅子」しかり。

甘くない結婚つながりということで。
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